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- 2020年3月2日(月)
【フェラーリ 488スパイダー】軽量かつ快適性も向上したリトラクタブルハードトップ
公開日:2020.03.02(Mon)
2018年フェラーリ488スパイダー入荷いたしました。2015年にフェラーリ488GTBのオープンモデルとして発表されたお車で、458スパイダーの後継車にあたります。3.9リッターV型8気筒ツインターボエンジンをミッドシップに搭載する488スパイダーは0-100km/hは3秒フラット(458スパイダーは3.4秒)、0-200km/hの加速は8.7秒(458スパイダーは10.8秒)を記録しています。
そのハイパワーの秘密はV8ミッドシップエンジンだけではなく、美しいボディデザインにもあります。フェラーリは488スパイダーの開発において特に空力面にこだわったボディラインで設計されています。フロントは488GTB(ベルリネッタ)と同じ形状ですが、フロントからサイド、そしてサイドインテークまでのデザインは488スパイダー独自のデザインとなっています。
ちなみに、サイドインテークはフラップで上下2段に分割されており、上段はエンジンの吸気用、下段はターボのインタークーラー冷却用と効率的にエンジンルームを冷却することができるように設計されています。
フロント、サイドインテークだけではなく、何よりも特徴的なのはエンジンカバーへの気流を整えるフライングバットレスです。フライングバットレスとは、普通キャビンに沿っているCピラーがキャビンに沿っておらずリヤデッキへと繋がっているデザインのことで、建築用語の壁の荷重を補助的に支える控え壁=フライングバットレスに形状が似ていることからそう呼ばれています。このフライングバットレスにより、横から見ると切れ目のない美しいルーフラインとなっています。
フェラーリが特徴的なフライングバットレスのデザインを取り入れている理由は、488スパイダーにリトラクタブルハードトップ(RHT)を採用するためです。ハードトップについては前回のブログでも少し触れていますが、先代の458スパイダーと同じく二分割式リトラクタブルハードトップとなっています。空力面の開発にこだわる488スパイダーにとっては欠かせないパーツであり、フェラーリは車両開発の中心ともいえるほど力を入れています。その甲斐もあり、458スパイダーと比較すると約25kgの軽量化に成功し、さらに騒音や悪天候への保護力も飛躍的に向上しています。その静粛性は大変優れており、多くのユーザーが評価しています。それにより自慢のV8エンジンサウンドはハードトップを閉めていると半減してしまいますが、逆に開けた際にはダイレクトに届くパワフルな音が倍増し、オープントップでしか楽しめないドライブをご体感いただけます。
ちなみにハードトップを閉めると半減すると言いましたが、電動ガラス・ウインド・ストッパーを最下段に設定すると、ルーフを閉じた状態でもエンジンサウンドを楽しむことができます。
また、フェラーリは快適性のひとつとしてハードトップの開閉が14秒で完了することも挙げています。開閉はセンターコンソールにあるスイッチを引き上げることで開始し、まずリアハッチが立ち上がり、ルーフ部分が2分割されて折り畳まれながら後方に動きます。最後にルーフの内側が上に向いた状態で格納されます。そこまでの動作が14秒で完了し、さらに45km/h以下であれば走行中でも開閉できるため、突然の悪天候や日射しの強さを感じる時間帯でも走行しながら対処することができます。さらにハードトップの収納スペースは、従来のハードトップの収納に150から200リットルの容量が必要であったのに対して、わずか100リットルのスペースに収まるように設計されており、省スペース化も実現しています。
統括マネージング・ディレクターのディーター・クネヒテル氏が「フェラーリのV8オープントップモデルに新たな一歩を刻むモデルとなる」と発言した理由は、オープントップ モデルとして走行性能を高めるだけではなく、ユーザーがドライブすることも視野に入れた快適性も追い求めたモデルであるからではないかと思います。
こちらはフェラーリ公式YouTubeの488スパイダーの動画です。開閉の動きやサウンドをご覧いただけます。動画と本日ご紹介したお車は同じボディカラーで、発売時のイメージカラーとして登場したスペシャルカラー「ブルー・コルサ」となっております。
▲フェラーリ公式YouTube「Ferrari 488 Spider-Official video / Video ufficiale」